※2022年11月25日小池都知事がルート・駅を発表しました。
本ブログ記事:小池都知事が臨海地下鉄の計画案(ルート・駅)を発表
湾岸エリアのマンション開発が進むにつれて、湾岸エリアの新しい地下鉄の話をニュースやネットの書き込みで目にすることが増えてきました。
私自身、オリンピック選手村跡地に建つマンション「晴海フラッグ」が気になっているので、この新地下鉄の話も気になっています。何しろ晴海フラッグは最寄り駅まで徒歩20分で「陸の孤島」と呼ばれてしまうくらい交通の便が最大の課題のため。
今回は、この湾岸エリア新地下鉄のルートや駅の場所を、各種公式発表資料から読み解いてみました。
なお、ネットの書き込みでは2020年代後半に完成するなど諸説が飛び交っていますが、実際には「実現の方向で検討されているが、本当に実現するか、いつ完成するかは未定」という状況です。※FNN報道では2040年頃とのこと。
詳しくは「湾岸エリアの新路線。地下鉄・ゆりかもめは晴海にやって来るのか?有楽町線は住吉に延びるのか?」にまとめたのでそちらも参照いただければと。
また、今回のルート予測にあたっては、マスコミ報道やネット上の情報は使わず、より信憑性が高いと考えられる公的機関(中央区、東京都、国交省)の情報から読み解くように留意しましたが、ただ、この新地下鉄は建設するか自体もまだ決定されていないことから、ルートや駅も変わる可能性があることはご理解ください。



https://mansion.tokyo.jp/rinkai-subway








湾岸エリア新地下鉄の概要
湾岸エリア新地下鉄の概要は以下の通り。
名称 | 未定。 2016年の国土交通省答申では『都心部・臨海地域地下鉄構想』と呼ばれている。この記事ではシンプルに「湾岸エリア新地下鉄」もしくは「新地下鉄」と呼ぶことにします |
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ルート | 銀座から築地・勝どき・晴海・豊洲市場を通って、お台場の国際展示場まで |
開通時期 | 未定 ※FNNのニュースでは2040年頃との報道も(ソース不明) |
経緯 | 2013年の東京オリンピック誘致決定を受け、2015年に中央区が検討を開始。都に働きかけ、2016年の国土交通省答申に掲載。ただし実際に建設するかはまだ未決定 |
将来像 | 銀座から東京駅まで延伸し、秋葉原から東京駅に延伸を検討しているつくばエクスプレスと接続することも検討中。(国交省答申に記載あり) ※FNNのニュースでは、国際展示場から羽田空港に延伸するとの報道も(ソース不明) |
上記の経緯を見て分かる通り、本路線については銀座・勝どき・晴海エリアを持つ中央区が実現を熱望しています。都や国に働きかけ、それまで検討されていた「ゆりかもめの豊洲→勝どき延伸」を押しのけて、新地下鉄の検討が正式に認められた形。
つまり、この新地下鉄は晴海、勝どきエリアの住民のため、また湾岸エリアから(つくばエクスプレスに接続したらつくば方面からも)銀座に人を呼び込むための路線、と言えます。
検討の経緯の詳細については下記の記事も参照ください。

湾岸エリア新地下鉄のルート
では湾岸エリア新地下鉄のルートはどうなるのか。ここに記載するのは、公的文書から読み取れる内容ですが、実際には変わる可能性があることをご理解ください。(そもそも建設自体が確定ではありませんが)
中央区の情報
まず2015年の中央区の検討結果「都心部と臨海部を結ぶ地下鉄新線の整備に向けた検討調査」を見ると、ずばりルート案が掲載されています。
出典:中央区「都心部と臨海部を結ぶ地下鉄新線の整備に向けた検討調査」
ルートは確定しておらず、2つのルートが併記されている状態です。
概要 | 課題 | |
Aルート(緑) | 晴海通り(※1)と環状2号線(※2)の間にある細い道の下を通るルート | 道が狭すぎるので駅を作る工事の難易度が高い |
Bルート(赤) | 晴海通り(※1)の下を通るルート | 湾岸から晴海まで来ている首都高をさらに地下で銀座まで伸ばす計画があり、それを変更するか、その下の非常に深いところを進まないといけない |
※1(晴海通り):銀座マリオンから始まり、銀座和光前・歌舞伎座前・築地の交差点を抜け勝どき橋を渡る道路。つまり銀座のど真ん中を通る道
※2(環状2号線):2018年に新しくできた汐留から豊洲市場を直線で結ぶ道路
どちらのルートが有力なのかは中央区の報告書では触れられていないが、東京都の別の文書にヒントがありました。
東京都の情報
2019年3月に東京都が築地市場跡地の再開発の方針を示した文書「築地まちづくり方針」に、新地下鉄のルートのヒントが。
報告書の27ページ目に地下鉄の「新築地駅(仮)」の駅前空間の場所が記載されているんです。それを元にプロットしたのが下の地図。

旧築地市場と場外の境にある「波除稲荷神社」のすぐ南が「地下鉄の駅前空間」となってます。
※注釈で「交通広場などの位置、形状などについては、イメージを示すもので、具体的な条件等については、事業実施方針等の中で示していく」との記載あり
この場所はまさに「晴海通りと環状2号の間」というルートAにあたります。
晴海フラッグにとっては、現在の最寄り駅である都営大江戸線の「勝どき」駅(晴海通りの下)よりも、手前側に新地下鉄ができることになり、朗報です。
新地下鉄のルートまとめ
まとめると新地下鉄のルートはこうなりそう。※駅名は全て中央区報告書に記載の名前(報告書では(仮)が付いています)

・銀座エリア:大通りである晴海通りから一本新橋寄りに入った「みゆき通り」の下を通る。
・築地エリア:場外市場のメインストリートである「波除通り」の下を通り、波除通りの突き当りにある波除稲荷神社のすぐ先に「新築地駅」が設けられる。
・勝どきエリア:運河の下を通って勝どきエリアに入り、大江戸線の勝どき駅をくぐって進み、新しくできる「勝どき・晴海駅」に至る。この駅はおそらく運河の下に作られ、地下で勝どき駅と接続する。
※「勝どき駅」と「晴海駅」に分かれる可能性があるが、それについては別途考察します
・豊洲エリア:晴海エリアの下を通った後、右方向に曲がりながら海を渡って環状2号の下に入り、豊洲市場の脇の「新市場駅」に。
・有明・お台場エリア:豊洲市場からはゆりかもめの下を通るルートで「新国際展示場駅」まで来てここで終点。
これが現時点の情報で公的文書から読み解くことができた新地下鉄のルートです。
まとめ
湾岸エリア新地下鉄は湾岸エリア住民にとっては期待の地下鉄。特に最寄りの勝どき駅まで徒歩20分の新しいマンション「晴海フラッグ」にとっては実現が切望される路線です。
公的文書の記述をつなぎ合わせると、そのルートは鳴海通りと環状2号線の間を通る可能性が高いと分かりました。
晴海フラッグ住民にとっては、現在の最寄りの大江戸線より近くを通ることになるので朗報です。
次回以降の記事では、「勝どき・晴海」という駅が2つに分かれるのか、その他の駅も含めどのような場所に駅ができそうか、をまとめていきたいと思います。まとめたらこの記事からもリンクを貼ってお知らせします。
⇒2022年11月25日小池都知事からルート・駅が発表されました!





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