私はマンション・不動産業界とはまったく違う業界で働くサラリーマンです。
それがちょっとしたきっかけで、「マンション管理士」という仕事に興味を持ちました。
しかしその仕事を調べてみると、資格を取っても自分の環境では決して簡単に仕事にできるわけじゃなさそう、ということが分かりました。
ただ、見方を変えると自分の環境が強みにもなりうることが分かり、そのためにすべきことも明らかになりました。
そんなこんなで、将来的にはマンション管理士として仕事をすることも視野に入れ、まずはマンション管理士の試験を受けることを決意しました。
このサイトはその過程で、マンション管理士の仕事や試験などについて分かったことや、勉強で役に立ったこと、業界のニュースなどをご紹介します。
さて、このページでは自己紹介を兼ねて、マンション管理士を目指すことを決めた経緯を披露させていただきます。
同じようにまったく違う業界で働いていて、マンション管理士を目指そうか悩んでいる方の参考になれば幸いです。一緒にがんばりましょう!
マンション管理士に興味を持ったきっかけ

マンションや不動産とまったく関係のない業界でふつーにサラリーマンをしていた自分が、マンション管理士に興味を持ったのは2つの出会いがきっかけでした。
1つは「LIFE SHIFT(ライフ・シフト)-100年時代の人生戦略」という本、もう1つは「マンション管理組合の理事の経験」です。
「LIFE SHIFT(ライフ・シフト)-100年時代の人生戦略」
2017年のベストセラー「LIFE SHIFT(ライフ・シフト)-100年時代の人生戦略」。少し長くなりますが、アマゾンの紹介文がこちらです。
寿命100年時代、あなたはどう生きますか? 新しい人生戦略を提示した『LIFE SHIFT』が14万部のヒット
過去200年間、人の平均寿命は伸び続けてきた。そこから導かれる予測によれば、2107年には主な先進国では半数以上が100歳よりも長生きするのだという。すると、80歳程度の平均寿命を前提に〈教育〉〈仕事〉〈引退〉の3段階で考えられてきたライフコースは抜本的に考え直されなければならない。そんな難題に英国の経営学者と経済学者のコンビが正面から向き合った本が、ハードな内容をものともせず、ベストセラー街道を邁進中だ。
「100年ライフの時代には、長い老後のためにお金を蓄えることも当然必要です。しかしそれだけではなく、変化し続ける環境に対応するためには、ライフ(人生)とワーク(仕事)のバランスが重要なんです」(担当編集者の佐藤朋保さん)
たとえば、機械化やAIの進歩を受けて雇用はどう変わるのか。予測しづらい変化に対処するための人的ネットワークをいかに構築するべきか。健康にはどう留意すべきか……などなど。本書が示す新たな問題の切り口は、極めて多彩だ。
「弊社のウェブメディアでは、著名人や有識者の方に、100年ライフと日本人の新しい生き方を示してもらっています。各地での読書会やSNSでの反響からも、みなさんが『自分ごと』として本書の内容を受け止め、考えた様子が伝わってきますね」(佐藤さん)
老若男女問わず、人生の岐路に立つ人すべてに、考えるヒントをくれる1冊だ。
評者:前田 久 (週刊文春 2017.06.01号掲載)
会社の尊敬する上司が勧めていたので何気なく手にとった本。
その内容は私にとっては衝撃的でした。(実は400ページを超えるので読み終わっていないんですが笑)
私がこの本から問われていると感じたのは・・・
「多くの人が100年の人生を生きるようになる。
その時、あなたはどう生きるか?
教育・仕事・引退という3つのライフステージだけで生きていくのか?
60〜70歳で引退して、100歳までの30〜40年間、何もせずに生きていくのか?」
そう問われたときに、会社を引退したとしてもやりがいのあることをしたい!そのためには方向が間違っても十分やり直しが効く今動き出したほうがいいのでは?と感じたのです。
そこで、自分がやりたいこと、やりがいを感じることは何だろう、と自問自答するようになりました。
(幸いなことに今の仕事にはやりがいを感じているので、それ以外で)
マンション管理組合の理事の経験
自分がやりたいこと、やりがいを感じること、を考えるようになって思い出したのが、2年前に抽選で選ばれたマンション管理組合の理事の経験です。
理事時代のいい思い出
抽選で選ばれるまで、なろうとも思ったこともなく、右も左も分からない状態で始めたマンション理事の仕事ですが、やってみると意外と面白いものでした。
私は設備部会という部会にいて、共用部の備品の修理・交換や植栽の手入れの要否などを判断する役割でした。ほとんど委託先の管理会社が調べて相見積もりも取ってくれるので、楽な仕事だったと思います。
そんな中、ちょっと工夫して役に立てたかな、と思うことがありました。
共用部に子供が遊べるキッズスペースを設置したときのことです。
管理組合で、子供の遊び道具を購入しようかと検討し始めたときに、ふと思い出しました。自分の家に、子供が大きくなって遊ばなくなったおもちゃや絵本があることを。
そこで理事会で「住んでいる皆さんにおもちゃや絵本を寄附してもらってはどうですかね?」と提案したところ、すぐに採用。
エレベータの中に掲示をしたところ、多数集まりました。私ももちろん寄附しました(笑)
そうして新装オープンしたキッズルームはなかなかに好評で、理事会あての投書箱にも感謝の手紙が届き、とてもうれしく思ったのを覚えています。
理事時代にやり残して残念だったこと
その反面、理事の間に興味を持ったものの、まったく手を付けられなくて、心残りになってしまったことが2つあります。
1つは「駐車場の空き」問題。
車を持たない人が増えており、駐車場の空きが発生していました。空きが出ると当然収入は減りますが維持費は減りません。
そこで素人考えで「近隣の住民や会社に貸し出す」とか「カーシェアリングサービスに貸し出す」など考えてみたのですが、運用まで考慮するとどうにもうまく回りそうにありません。
この問題はおそらく多くのマンションで発生しているはずなので、どこかに解決策があるのでは?と思いつつ理事期間が終わりました。
もう1つは「自治会がない」問題。
周りのマンションは自治会があり、自治会の予算で地域の祭りに出店を出したりしていましたが、自治会のないこのマンションはそれができませんでした。
他のマンションでできているなら、ここでもできるはず、と思ったのですが、その壁も確認できないまま任期が終わりました。
思い返せば、いい思い出は達成感として、やり残したことは気がかりな点として記憶に残っていました。
思い出したマンション管理士の存在

こうやって記憶をたどっていくと、どうやら自分はマンションの管理にやりがいを感じるらしい、と気付きました。
では、定常的に関わっていくにはどうしたらいいか。
昔の理事会のことを考え、ふと思い出したのが、理事会に毎回出席していた「マンション管理士」の存在!
といっても、その頃の私は、マンション管理士のことはよく分かっておらず、理事会に出席してアドバイスをする人、くらいの認識でした。
今考えると、マンション管理士には、初回の理事会で自分の立場を説明してもらいたかった。そうすればその後、色々相談したのに。
また、理事は素人だらけだったので、せっかくだからマンション管理全般(管理組合、理事長、理事、監事、管理会社の役割と義務、規約の概要など)についても説明してもらいたかった。
話はそれますが、私はマンション管理士試験の勉強を始めて、理事長の役割が重いものということを初めて知りました。
そんな理事長が、説明を特段受けずに抽選で決まってしまうとは、今考えると恐ろしい・・・
自分がマンション管理士として仕事をすることになったら、「初回の理事会でマンション管理の概要を説明すること」は絶対にしたい、と決めていることの一つです。
話をもとに戻すと、私はマンション管理士という存在を思い出し、未来の仕事にできないか調べ始めました。
調べたら素人が仕事にするにはハードル高い

というわけで、名前は知っているけど仕事はよくわからない「マンション管理士」。
ちょっと調べると、国家資格で仕事内容は管理組合へのコンサルティングらしい。
てことは、資格が必要な仕事にひっぱりだこで、事務所も必要なく独立してやっていける、おいしい仕事なんじゃない!?自分って目の付け所がイイ!(←安直)
しかしちゃんと調べると、そんな簡単な仕事では全くないことが分かりました・・・
マンション管理士でないとできない仕事(独占業務)はないし、管理組合がマンション管理士と契約しないといけない決まりもない(必置資格ではない、と言うそうです)。
つまり、ひっぱりだこどころではなく、仕事にありつけるかどうかは自分の努力と才能次第ということが分かりました。
自分は不動産やマンション業界に勤めていないので、この分野の経験も全くないし業界の会社とのつながり・人脈も持っていない。
となると、マンション管理士という仕事をするのは無理なんでは・・・と思い始めました。
見方を変えると、今、素人であることが逆に強みになるかも

マンション管理士として仕事をするのは、特に経験が無いという点がハードルが高そう。
でもやっぱり仕事にやりがいを感じるので、ちょっと見方を変えてみました。
具体的には他の人と違う、マンション・不動産業界の経験がないということを、強みにできないか?と考えてみたのです。
私が住むマンションでは、理事への立候補はほぼ無く、毎年抽選で決まります。そのため理事会は、マンション管理に関する知識がない素人で構成されるうえに、毎年ほぼメンバーが入れ替わる(数名は留任)ため、ノウハウ・経験が貯まりません。
とすると、素人である理事に助言するマンション管理士は、実はマンション以外の業界の経験が長い人(特に素人として理事を経験した人)の方が、理事の目線に近いアドバイスができるかも?
私自身が理事になったときのことを思い出し、「最初に管理組合・理事長・理事・監事・管理会社の役割と義務や規約概要などを教えてもらいたかった」と感じるのは、まさに理事とマンション管理士の経験のギャップによるものだと思います。
つまり、マンション管理士にとって当たり前と思えること(マンション管理の基本)を、理事はまったく知らない。
そこに、マンション業界以外の経験が長いマンション管理士が入り込む余地があるような気がするのです。ちょっと強引ですが。
そう信じ(逆に言うとそれを強みにしようと決意し)、やっぱりマンション管理士にトライしてみようと決めました。
とはいえ素人のままではイカン

素人であること=マンション業界以外の経験が長いことは、ある意味強みになるかもしれないが、まったく実務の知識がないままだと、マンション管理士として頼られるはずがないことは、容易に想像がつきます。
私も理事だったら、そんなマンション管理士に仕事をお願いしたくありません。
では実務の知識を得るにはどうしたらいいか。
本業のサラリーマンを続けながら、掛け持ちでマンション業界の仕事をするのは、不可能ではないもののかなりハードルが高い。
仕事で経験を積むのが難しいなら、まずは旬な情報に常に触れるようにすればいいのでは、と考えました。
人脈・仕事のつながりは、いずれ理事や自治会の仕事をすればきっかけができるかもしれないし、それが甘ければどうにかツテをたどって修行できるところを探せばいい。
とにかく先のことを心配しすぎて動かなかったら何も始まりません。
旬な情報を集める方法として、業界紙や雑誌を使うことにしました。まずはそれを購読して情報を集めながら資格を取る。そして実地の経験はいずれ道を探る。
そう決めて、マンション管理士試験のための勉強を始め、同時に「マンション管理新聞」と「マンション管理センター通信」を購読してリアルな情報を集めることにしたのです。
終わりに
私がマンション管理士になろうと思ったきっかけは、理事の経験でやりがいを感じたことです。
調べると、業界経験のない素人が仕事をするにはかなり厳しいことが分かりましたが、逆にそれを他のマンション管理士にはない強みにできるかもしれない。
ただ課題は、知識やノウハウが圧倒的に足りないこと。それをまず新聞や雑誌を取ることで底上げしよう、というのが私の戦略です。
憧れを持っていても、まず動かないとそれに近づけない。というわけで私は将来の夢に向けて一歩踏み出しました。
この先どうなることやら。このサイトでも随時ご報告していきます。