晴海フラッグ(HARUMI FLAG)は、2020東京オリンピックの選手村として創られる建物をそのまま使うマンション。
倉庫街だったエリアに5,000戸を超えるマンションが作られ、住民1万人を超える新しい街が生まれます。場所は中央区晴海。汐留まで2キロ、銀座まで2.5キロというすばらしい立地です。
にもかかわらず価格は中央区とは思えない割安なところが晴海フラッグの大きな魅力。
正式発表前から熱い視線が注がれていたこのマンションは、2019年GWにモデルルームがオープンしてからすぐ予約がいっぱいとなりました。ただ毎日申し込みサイトを見ていたらキャンセルが出たので、さっそく訪問。
そこで分かった晴海フラッグの特徴を踏まえ、このマンションが向いている人・向いていない人、間取りと価格に関する調査結果などをご紹介します。







晴海フラッグ(Harumi Flag)とは
晴海フラッグ(Harumi Flag)は、2020東京オリンピックの選手村として創られる建物をそのまま使うマンション。
これまで倉庫街だったエリアに総戸数5,600戸を超えるマンション(うち分譲は4,145戸)が作られ、住民1.2万人という新しい街が生まれます。場所は中央区晴海。新橋まで2キロ、銀座まで2.5キロというすばらしい立地です。
にもかかわらず東京都から土地が破格の安値(13万平米129億円=坪30万円)で売却されたため、価格は中央区とは思えないものとなっています。
週刊東洋経済2018年12月8日号によると、過去最大の民間分譲マンションでも総戸数は2,100戸で晴海フラッグはその2倍。にもかかわらず販売価格が周辺の1〜2割は安く、首都圏全体の市場を狂わせる可能性があるため、その影響を抑えるために、販売時期を前倒しし4年かけて販売する戦略とのこと。
オリンピック前に購入しても、入居できるのはだいぶ先(2023年)ということは、購入時には十分認識しておく必要があります。
晴海フラッグはこんな人におすすめ
晴海フラッグはこんな人には特におすすめできます。ただし、大前提は「駅近にこだわらない」こと。
- 安く都心近くに住みたい
- 子供が近くで遊べるところに住みたい
- 眺望がいいところに住みたい
- 親と同じエリアに住みたい
それぞれその理由を見ていきます。
安く都心近くに住みたい人
なんと言っても立地と価格がこのマンションの一番の魅力です。
中央区で銀座や汐留、豊洲も徒歩圏内。にもかかわらず価格は坪単価260万円くらいからと激安です。
これは都から土地が格安で売却されたため実現した価格なので、今後このエリアで同じような価格でマンションが売り出されるとは思えません。
子供が近くで遊べるところに住みたい人
晴海フラッグの中は公園と緑・水辺が豊富にあります。
海辺には「晴海ふ頭公園」「晴海緑道公園」の2つの公園が。そして敷地内には子供が水遊びできる池や芝生広場、児童遊具ゾーンまであります。
これだけ遊び場所があると子どもは喜びそう。
眺望がいいところに住みたい人
晴海フラッグの敷地はレインボーブリッジが目の前。
↑レインボーブリッジ方面の部屋からはこんな眺めが見られるそうです。お高くなりますが・・・
また海に向かっている部屋は、建物が前に立つことがないので、永久に眺望が保証されるのもいいですね。
親と同じエリアに住みたい人
賃貸エリアに「シニア住宅」「介護住宅」ができます。うまく入居できるか分かりませんが、もし親と同じエリアに住むことを考えていたら、自分は分譲を購入し、親はこれら住宅に入居するというのもありだと思います。
晴海フラッグはこんな人は避けたほうがいい
残念ながらこんな方はこのマンションは避けたほうがいいでしょう。
- 駅近がマスト
- 入居を急ぐ
- 下町情緒やごちゃごちゃした街の雰囲気を味わいたい
- 街がダイナミックに変わるのが好き
それぞれの理由を見ていきます。
駅近がマストな人
晴海フラッグの唯一にして最大のウィークポイント。それは交通の便です。
最寄り駅の大江戸線「勝どき」駅までは徒歩17〜22分とかなり離れています。それを補うべく次世代バスBRT(Bus Rapid Transit)が通るようになりますが、バスだと渋滞に巻き込まれたりなど、時間が読めないところがデメリット。
移動は電車がいい!という方は要注意です。※対策については後述の「晴海フラッグの交通の便」で考察します

入居を急ぐ人
晴海フラッグの入居は2023年春、ということでまだまだ先。今すぐにでも住むところを探している場合、他の物件をあたる必要があります。
下町情緒やごちゃごちゃした街の雰囲気を味わいたい人
晴海フラッグは完全に新しくできる街なので、当然ながら古くからあるお店や商店街などはありません。ただちょっと足を伸ばして月島まで行けば、安くてうまい居酒屋などもあります。
街がダイナミックに変わるのが好きな人
晴海フラッグは街自体がいっせーのせ、で作られるため、2023年に完成してしまうと、その後の開発はあまり行われないと思われます。(その土地がない)
その分建設工事などが行われないので、静かでいいかもしれません。
晴海フラッグで特に魅力的なところ
次にモデルルーム・現地で気付いた晴海フラッグの魅力的なところです。
- 共用施設が豊富。自分の棟以外も使える
- バリアフリー。玄関に段差がない、廊下広い、扉大きい
- カーシェアがあるので車持たなくてもいいかも
- 自転車シェアがあるから自転車すらなくていいかも
- 釣りし放題
それぞれ見ていきます。
共用施設が豊富
各棟には来訪者が泊まれるゲストルームがあります。それに加えて、全体では51の共用施設があり、うち26室はどの街区に住んでいていも相互利用が可能とのこと。
たとえば、ブックラウンジ、工作室、スポーツバー、ダイニングラウンジ、テラス付きパーティールーム、子供が遊べるスペース、など。変わったところでは足湯ラウンジも。

また2つのタワーの48階部分には、全街区の居住者全員が使えるスカイラウンジが作られます。レインボーブリッジや東京タワーを始めとする東京の夜景が眼下に広がる壮大な眺めになりそうです。
バリアフリー
モデルルームで驚きました。玄関に段差がないのです。最初はどこで靴を脱いだらいいのか迷ってしまいそうですが、車椅子のことを考えた設計とのこと。
また、部屋の中の廊下も広く扉も大きいものとなっており、完全バリアフリーとなっており、長く住めそう。
カーシェアリングサービスがある
駐車場の設置率は45%ですが、カーシェアリングサービスがあります。
台数が少ない(SEA VILLAGE 3台、SUN VILLAGE 5台、PARK VILLAGE 5台)ので、土日などは出払ってしまう気がしますが、モデルルームの案内では入居者は三井不動産が運営する「カレコ・カーシェアリング」も使えるようにするとのことでした。
ふだんあまり車を使わなければ、持たなくてもいいかもしれません。
自転車シェアリングサービスも
駐輪場は150%と一見すると少なめに見えますが、都内でよく見かける赤い自転車のコミュニティサイクルのポートが作られます。
この自転車、都内ではポートが数多くあるのでかなり使い勝手がよく、一度使うと手放せなくなります。自分の自転車と違ってどのポートで乗り捨ててもいいので、朝は自転車で行き、夜はBRTで帰ってくる、みたいなこともできます。
地味ですが、私が晴海フラッグで一番魅力を感じるのは、このコミュニティサイクルのポートです。台数さえ足りていれば、後述するように通勤のメインの足としても使えるはず。

釣りし放題
豊洲・晴海の今の遊歩道と同じだったら、家の周りで釣りができます。釣れるのはシーバス、サバ、ハゼなど。私の友達はエイを釣り上げてました(笑)
一番近くでエサが買えるのは月島の「春海屋釣具店」です。晴海フラッグからは自転車で10分くらい。

晴海フラッグで気になるところ
逆に気になったところはこんな点です。
- オール電化ではない
- ライブラリ、勉強スペースが少ない
- エリアをまたがった管理組合は運営が大変かも
具体的には・・・
オール電化ではない
レンジはガスです。個人的には火事が起きにくいIHのほうが安心で好きなのですが、モデルルームのスタッフの方によると、電気とガスを併用したほうが、災害時にどちらかが使える確率が高まるとのことでした。たしかに。
ライブラリ、勉強スペースが少ない
私の経験上、共用施設の中で長く重宝されるのは、地味ですが勉強などに使えるライブラリ。大人も子供も使えるし、同じ建物の中にあるとかなり便利なんです。
晴海フラッグには19個の建物に51もの共用施設がありますが、勉強スペースとして使える施設は6つくらいの模様。テストの季節などは子供でいっぱいになりそうです。
巨大な管理組合
管理組合は3階層にする予定とのこと。①全体団地管理組合(4,145戸)、②SEA VILLAGE管理組合(686戸)、SUN VILLAGE管理組合(1,822戸)、PARK VILLAGE管理組合(1,637戸)、③各棟部会
ここまで大きくなるとどんな運営になるのか想像がつきません。理事に選ばれたらちょっと大変かも
晴海フラッグの交通の便
晴海フラッグで一番気になるのは交通の便です。これさえスッキリすれば、気持ちよく申し込みができるのではないでしょうか。
調べたところ以下が分かりました。
- 次世代バスBRTがメインだが輸送力は鉄道に及ばない
- シェアサイクルで新橋・月島・豊洲に出るのが使い勝手よさそう
- 地下鉄が通るという噂もあるが未知数
それぞれ見ていきます。
次世代バスBRTの実力

晴海フラッグからの移動のメインになるのはBRT(Bus Rapid Transit)。2両つないだ形で輸送力を増やし(約100名)、停留所も減らすことでスピーディーに移動できるようにしたバスです。
晴海フラッグを通るのは、①晴海フラッグ始発で新橋行きの「選手村ルート」、②東京テレポート駅発虎ノ門行きの「幹線ルート」、の2路線。将来的には銀座・東京行きも検討とのこと。
気になる便数・輸送力は以下の通り。
平日ピーク時(1時間あたり)
・片道12便(選手村ルート6便、幹線ルート6便)
・輸送力:1,200人程度
※晴海五丁目を通らないルートは上記以外に晴海・豊洲ルート6便、勝どきルート2便
平日日中および土休日(1時間あたり)
・片道6便(幹線ルート6便)
・輸送力:600人程度
※晴海五丁目を通らないルートは上記以外に晴海・豊洲ルート6便
このピーク時の1時間あたり1,200人がどれくらいの輸送力かというと、近くを走る有楽町線1本が定員1,500人、大江戸線1本が定員780人ということを考えると、電車が1〜2本で運ぶ人数。ちょっと少ないですね・・・
別の見方で考えると。晴海フラッグの住民は12,000人、だいたい1/3が通勤・通学に出かけるとして4,000人。7〜8時台の2時間で出かけるとして1時間あたり2,000人。BRTの輸送力1,200人だけだと足りないことになります。残念
またBRTの乗り場となる「マルチモビリティステーション」は、なぜか屋根や壁のないロータリーです。雨の日や寒い日・暑い日はちょっときついかも。
BRT以外の交通手段
BRT以外に通勤・通学で使える手段は以下があります。
- 都営大江戸線「勝どき」駅(徒歩17〜22分)
- 都営バス(徒歩1〜9分):東京駅丸の内南口行き、四谷駅行き、錦糸町駅前行き
- コミュニティサイクル(敷地内に300台分のポートを設置)
コミュニティサイクルの使い勝手
最近都内でよく目にするようになった赤い自転車コミュニティサイクルが、使い勝手よさそうです。
職場が山手線・京浜東北線や地下鉄銀座線・都営浅草線・三田線沿いだったら、新橋駅まで自転車で。
職場が有楽町線や、そこから1回乗り換えの南北線・半蔵門線・千代田線・日比谷線・丸ノ内線・東西線・都営新宿線・中央線・総武線沿いだったら、月島駅か豊洲駅まで。
渋滞も気にすることもなく15分くらいで着くはず。
実際に現地からコミュニティサイクルで各駅に行って、かかる時間を計ってみました。



晴海に地下鉄が通るという噂
2019年3月に東京都が発表した「築地まちづくり方針」を受けて、フジテレビが『開通すると何が変わる?「銀座」から「晴海」「豊洲」を結ぶ新地下鉄』という報道をしました。この報道によると
- 3月に東京都が築地市場跡地の活用法に関する資料を発表
- 地下鉄新線の構想は、銀座から国際展示場までの5kmを繋ぐ予定
- 実際に開通すれば大幅な時間短縮が期待できる
加えて、「東京都から、正式決定の発表はまだないものの、地下鉄新線は2040年頃までの完成を計画している。」「さらに期待がかかるのは、銀座からさらに延伸して秋葉原につなげ、つくばエキスプレスと乗り入れする案や、国際展示場から羽田空港へつなげる案である。ただ、新路線を羽田空港までつなげると予算も倍増するため、課題も残る。正式決定や着工などはまだ先の話のため今後の東京都の動向に注目だ。」と続けています。
これを調べていくと面白いことがわかったので、別の記事にまとめました。良ければこちらもご覧ください。


晴海フラッグの間取りと価格
晴海フラッグは坪単価を抑えることができているので、都心近くとしては比較的広めのプランが多くなっています。
- 都心では広めの70後半〜80平米台がメイン
- レインボーブリッジ方面(A棟)は1億円超えもずらり。坪単価460万円/坪も。最安値の78平米でも9,000万円強
- パークビュー(B棟、C棟)は控えめ260万円/坪〜。75平米で6,000万円を切る部屋も
- 豊洲市場方面(F棟)は300万円/坪〜。最安値は76平米で6,900万円を切る
間取りと価格についてはかなりのボリューム(間取りは1009通り!)のため、別途まとめたいと思います。
まとめ
晴海フラッグは都心部で最後と言われている大規模再開発。中央区という立地ながらかなり抑えた価格がポイント。
それと引き換えに駅までかなりの距離があるのでそれをどう捉えるか。個人的にはコミュニティサイクルをメインにしつつ、新交通手段BRTを使えばいいと思います。
将来的には地下鉄が来るかもしれませんが、あまり期待しないほうがよさそう。
同じ湾岸に住む身としては、街を丸ごと1つ作る、という意味で非常に気になるプロジェクト。これからもチェック・追記していきます。






