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22年10月時点:臨海地下鉄検討会の状況に進展なし

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2021年9月に東京都主催の「都心部・臨海地域地下鉄構想 事業計画検討会」(以下、臨海地下鉄検討会と呼びます)が始まりました。

関連記事:東京都による臨海地下鉄検討会が始動

その後あまり話を聞かないので、どうなったのかなと思い調べてみました。

https://mansion.tokyo.jp/rinkai-subway

要点まとめ
  • 2021年9月、11月、2022年3月と開かれたが、その後半年以上開催されず
  • 公表された議論内容は「周辺の開発を考慮する」「駅の場所を決めるときは近くの駅との乗り換えを考慮する」「水害に対する備えを固める」「インバウンドの状況を織り込む」「収支を算定するときには既存路線の減収や、周辺施設で落とすお金を織り込む」など一般的なもの

都心部・臨海地域地下鉄構想 事業計画検討会とは

臨海地下鉄検討会は、国交省答申の中で「検討を深めるべき」と記載されたことを受け設置されたものです。

2016年国交省答申における臨海地下鉄

臨海地下鉄が初めて国交省の答申で取り上げられたのは2016年「東京圏における今後の都市鉄道のあり方について」です。

この中で課題としてこのように指摘を受けています。

  • 費用対効果があるのか怪しい。検討が十分でないので、東京都などが中心となって、どんな事業者が作るべきかを含めた収支をきちんと計算すべき
  • 「つくばエクスプレスの秋葉原→東京延伸」と組み合わせて、つくばエクスプレスと直通運転すると、収支が改善するので検討するように

2021年国交省答申における臨海地下鉄

次に国交省答申に臨海地下鉄が登場したのは5年後の2021年です。

この中では、有楽町線の延伸と品川地下鉄については、東京メトロが主体となること・費用は公的支援を行うことが提案され、ついに建設が実質決定しました。

それに対し臨海地下鉄は記載があったものの「常磐新線延伸(TX)との接続も含め、事業化に向けて 関係者による検討の深度化を図るべき」つまり、まだ検討が足りない、と書かれてしまいました。

臨海地下鉄検討会の設置

上記国交省答申から2か月後の9月、東京都がついに重い腰を上げ「都心部・臨海地域地下鉄構想 事業計画検討会」が始まりました。

検討会で扱う内容は「客観的かつ合理的なルート・駅位置等の検討、概算事業費の算出、 需要予測・事業性の検証、事業スキームの整理」

メンバーは、外部の大学教授が4名、関係者である国交省から3名、自治体である東京都からは1名。

参照元:東京都都市整備局「都心部・臨海地域地下鉄構想 事業計画検討会

検討会の活動状況

これまでに3回の検討会が開かれたようです。(2022年10月時点)

2021年9月3日
2021年11月25日
2022年3月25日

開催頻度が約3か月、4か月と伸び、その後7か月開かれていないのが気になりますが・・・

議論された内容

各回2時間開かれたようです。

議事・議論概要が公表されていますが、ごくあっさりしたもの。実際の議論の模様はちょっとうかがえません。

第1回(2021年9月)

議事

  1. 「都心部・臨海地域地下鉄構想 事業計画検討会」について(案)
  2. 臨海部の現状について
  3. 臨海地下鉄の意義・必要性について
  4. 検討の方向性について

今後のルートや駅位置等の検討にあたっては以下の指摘があった

  • 地下の埋設物や競合する事業の計画等を踏まえて検討すべき
  • 周辺で進捗している開発の状況や今後のまちづくりの見通し等を整理すべき
  • 周辺駅との乗換利便性を考慮すべき
  • 水害に対する備えを踏まえて検討すべき

2時間でこれだけのメモとは・・・どれも当たり前のことばかりに見えます。

完全に想像ですが「地下の埋設物」とは他の地下鉄や首都高のことか?「競合する事業の計画」とは勝どきで近くを通る都営大江戸線のことか。

「周辺で進捗している開発の状況や今後のまちづくりの見通し」についてはすでに発表している「築地まちづくり事業」「東京ベイeSGまちづくり戦略」のことか。

「周辺駅との乗り換え利便性」とは銀座駅・築地駅・勝どき駅・豊洲市場駅・国際展示場前駅のことと思われますが、これも当たり前ですね。

「水害に対する備え」はこの地下鉄に関する報道で初めて目にしました。何本もの運河の下を通るので気にする必要があるんでしょうか。

第2回(2021年11月)議事

議事

  1. 事業計画の検討について

今後のルートや駅位置等の検討、需要予測等にあたっては、以下の指摘があった

  • 沿線の現地状況を詳細に把握すべき
  • 利用者の流動に留意すべき
  • 国の答申におけるインバウンド需要を確認すべき
  • 乗換ルートは、賑わいの創出やまちづくりへの寄与の視点でも検討すべき

これまた4行だけのメモです。推測するに・・・

「沿線の現地状況を詳細に把握すべき」とは、築地市場の再開発、晴海フラッグ居住者数見込み、豊洲市場の周辺施設を含めた開発状況、有明や国際展示場周辺の開発状況のことか。

「利用者の流動に留意すべき」は、上記の状況を踏まえた利用者数見込みになっているか、またコロナ後の出勤者の減少や旅行客数の変化を織り込むべきということか。

「国の答申におけるインバウンド需要を確認すべき」は沿線のインバウンド向け施設である築地市場跡再開発や、豊洲市場に訪れる外国人観光客の数を最新の数値で見込んで、需要予測に反映すべきということか。

「乗換ルートは、賑わいの創出やまちづくりへの寄与の視点でも検討すべき」は、築地再開発のことを指しているのか。特に近い大江戸線築地市場駅にしっかり接続するようにということか。

第3回(2022年3月)議事

議事

  1. 事業計画の検討について

今後のルートや駅位置等の検討、需要予測等にあたっては、以下の指摘があった

  • 沿線の開発計画とも連携を図るべき
  • 各駅の利用者の動向に加え、本路線の整備による既存路線への影響も分析すべき
  • 利用者の流動やまちへの回遊性等の面も踏まえて検討を深めるべき

今度はさらに指摘数が減り3つです。

「沿線の開発計画とも連携を図るべき」これはしつこく毎回書かれている気がします。築地再開発以外に、誘致が噂されているIR施設(カジノ)のことを指すのでしょうか?

「各駅の利用者の動向に加え、本路線の整備による既存路線への影響も分析すべき」は、新線の収支計算をするときに、既存路線の減収も加味するようにということでしょう。たしかにこの路線ができることにより、勝どき駅から大江戸線、市場前駅からゆりかもめを使う人は減るわけで、その減収効果はしっかりカウントしないと効果が過大になるということですね。

「利用者の流動やまちへの回遊性等の面も踏まえて検討を深めるべき」。これは何を言おうとしているのか難しいですが、収支計算をするときに電車の運賃だけでなく、周辺施設で使うお金のことも含めるように、と言っているのでしょうか。

まとめ

2021年9月から始まった臨海地下鉄検討会は2022年3月までに3回開かれてから、10月までは開催されず。

3回の議事録からわかる議論されたことは、たぶん・・・

  • ルートを決めるときは他の地下鉄や首都高とぶつからないように気をつける(当たり前)
  • 周辺の開発(築地再開発、晴海フラッグ、豊洲市場、有明・国際展示場周辺)を考慮する
  • 駅の場所を決めるときは、銀座駅・築地駅・勝どき駅・豊洲市場駅・国際展示場前駅など近くの駅との乗り換えを考慮する
  • 水害に対する備えを固める
  • コロナ後の人の動きの減少や旅行客数の変化を織り込む
  • 収支を算定するときには既存路線の減収や、周辺施設で落とすお金を織り込む

https://mansion.tokyo.jp/rinkai-subway

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