臨海地下鉄

22年11月 臨海地下鉄新線推進大会で都議と中央副区長が近々発表を示唆

2018年から中央区が毎年開催している「都心・臨海地下鉄新線推進大会」が2022年11月8日に開催されました。

その模様が東京新聞に掲載されていました。

要点まとめ
  • 都議:年内には都から何らかの発表があると聞いている
  • 中央区副区長:近々都や国が発表し、おおよそ新線の位置や駅が決まってくるはず
  • 前者は「築地再開発の事業者応募要項」が年内に発表され、その中に地下鉄の駅の位置が書かれていることを指しているのでは?
  • 後者は東京都の検討会のことを指していると思われるが、年明け(2023年)になるのでは?

⇒結果は外れ。11月25日に小池都知事がルート・駅の場所を発表しました。

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2022年都心・臨海地下鉄新線推進大会

中央区主催の「都心・臨海地下鉄新線推進大会」というものは2018年から開催されているそうです。

2018年といえば、2016年の国交省答申で臨海地下鉄が正式に初めて取り上げられ中央区の夢の1stステップが叶った頃、また東京オリンピックを2年後に控え選手村(今の晴海フラッグ)を持つ中央区はかなり盛り上がっていた頃と思われます。

ただその後の動きは臨海地下鉄には逆風でした。

東京オリンピックは新型コロナウィルスの影響で1年延期となり、選手村を改装して販売する晴海フラッグの入居は1年後ろ倒しに。また、ライバル関係だった有楽町線8号線の延伸(豊住線)は2021年7月に建設が決定しました。

対する臨海地下鉄は、2021年9月に東京都主催の検討会が開かれ事業性やルートの検討が始まったものの、2022年3月以降半年以上開催されず、という状況にあります。

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2022年11月8日の大会

そんな中開かれた2022年の都心・臨海地下鉄新線推進大会。

出席した都議からはこのような発言があったそうです。

「年内には都から何らかの発表があると聞いている」

また、中央区で臨海地下鉄といえば必ず名前が出てくる吉田副区長からこのような発言があったそうです。

「(調査や検討の結果を)都や国が近々発表し、おおよそ新線の位置や駅が決まってくるはずだ」

ソース:東京新聞「都心・臨海地下鉄 「新線の検討 加速を」 月島で決議

考察

都議の「年内には都から何らかの発表がある」発言

都議の「年内には都から何らかの発表があると聞いている」は、東京都による築地再開発の事業者募集要項の発表、と推測します。

理由は2つ。

1つ目は「築地まちづくり事業の事業者募集要項の公表は令和4年(2022年)秋頃を予定」とされているため。以下は東京都HPからの抜粋です。

令和4年3月(2022)「築地地区まちづくり事業」事業実施方針の策定:
築地地区のまちづくりについて、事業者募集に向けた具体的な条件等を示す事業実施方針を策定しました。募集要項等の公表は、令和4年秋頃を予定しています。

出典:東京都HP

秋と言いながら11月になっても発表がない、と考えると年内に募集要項の公表があってもおかしくないと考えます。

 

2つ目は築地まちづくり事業実施方針に対する「質問回答書」(2022年6月発表)の中で、「臨海地下鉄新駅の位置などは募集要項で示す予定」と書かれているためです。

臨海地下鉄に関する質問・回答を抜粋しました。

事業者からの質問東京都からの回答
機能配置・建物計画に大きな影響を与えうる都心部・臨海地域地下鉄について、現時点想定される整備目標時期、想定工期、新駅設置候補箇所を明示してもらえないでしょうか。都心部・臨海地域地下鉄について、可能な範囲で位置等を募集要項等の公表時に応募希望者に示す予定です。
都心部・臨海地下鉄の新駅の計画(施設構成、平断面、規模、地盤面からの深度等)や構造(基礎、本体の形状等)に関する情報は、募集要項等で示されると理解してよろしいでしょうか。都心部・臨海地域地下鉄について、可能な範囲で位置等を募集要項等の公表時に応募希望者に示す予定です。
「都心部・臨海地域地下鉄も考慮して、建物等を計画」とありますが、地下鉄が事業化されなかった、または開業時期が大幅に後ろ倒しとなった場合の費用負担等のリスク分担の考え方について、ご教示ください。リスク分担の考え方については、募集要項等の公表時に示す予定です。
地区内における新駅設置に関する費用は、本路線の鉄道事業者が負担(事業予定者の負担は無い)との認識でよろしいでしょうか。新駅設置に関する費用負担は、本事業の条件には含まれません。なお、都心部・臨海地域地下鉄については、事業計画の策定に向けた検討を進めているところであり、費用分担等については、現時点では未定です。
「都心部・臨海地域地下鉄構想 事業計画検討会」で想定している鉄道事業者は、募集要項で提示されますでしょうか。想定する鉄道事業者について、示す予定はありません。
「地区内における新駅」の想定利用者数は何人/日であるか、募集要項で提示されますでしょうか。想定利用者数について、示す予定はありません。
「都心部・臨海地域地下鉄構想 事業計画検討会」の検討内容を、本事業への応募を検討する民間事業者に共有して頂くことは可能でしょうか。事業計画検討会の検討内容について、示す予定はありません。
大規模集客・交流機能は、特に早期に整備するものとの記載がありますが、機能的に発生集中人数が膨大になることが想定される中で、現状の鉄軌道の輸送力だけ対応するのは厳しい部分もあると考えますが、その点については軌道整備開業も考慮してという理解でよろしいでしょうか。大規模集客・交流機能については、将来の都心部・臨海地域地下鉄等の開業を待たずに早期に整備してください。 発生集中人数については、ソフト対策も含め総合的に検討してください。

出典:東京都HP

回答書を見ると、地下鉄の詳細(場所・時期・形状等)を求める質問は、上記以上に多く寄せられています。

事業者(デベロッパー)社員の「新しい地下鉄のことを十分加味した計画を出すように、って言われても肝心の地下鉄の情報がないとどうしようもないじゃんか」という思いと、
東京都の職員の「そんなこと言われても俺たちも情報がないんだよ。とりあえず今の時点では募集要項まで待ってね、としか書けないなぁ・・・」という思いが透けて見えます。

私が推測するに、年内に募集要項を発表するとしても地下鉄については正式な決定がされていない状態のため、22年3月の事業実施方針と同じように、「将来臨海地下鉄ができるかもしれないから、築地再開発ではそれに配慮し、このような位置にこのような空間を設けておいてください」と書かれるだけなのでは、と推測します。

※つまり「募集要項での地下鉄駅の位置等の発表=地下鉄建設の決定」ではない

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副区長の「新線の位置や駅が決まってくる」発言

吉田副区長の「近々都や国が発表する」というのは、その構成メンバーを考えると東京都主催の臨海地下鉄検討会のことを指すと思います。

2022年3月を最後に開かれておらず、近々実施されるということだと思いますが、本当に副区長が言うようにいきなりルートや駅の位置を発表するのかが疑問です。

というのも、前回までの3回で発表された内容は、このようにぼんやりとしたものだったからです。

  • ルートを決めるときは他の地下鉄や首都高とぶつからないように気をつける(当たり前)
  • 周辺の開発(築地再開発、晴海フラッグ、豊洲市場、有明・国際展示場周辺)を考慮する
  • 駅の場所を決めるときは、銀座駅・築地駅・勝どき駅・豊洲市場駅・国際展示場前駅など近くの駅との乗り換えを考慮する
  • 水害に対する備えを固める
  • コロナ後の人の動きの減少や旅行客数の変化を織り込む
  • 収支を算定するときには既存路線の減収や、周辺施設で落とすお金を織り込む

ここらからいきなりルートや駅の位置を決めるような検討に至れるのかが疑問です。

副区長は前述の都議の発言と違い「年内」と言わずに「近々」と言っているため、年明け(2023年)の発表になると推測します。

22年10月時点:臨海地下鉄検討会の状況に進展なし2021年9月に東京都主催の「都心部・臨海地域地下鉄構想 事業計画検討会」(以下、臨海地下鉄検討会と呼びます)が始まりました。 関...

まとめ

2022年の都心・臨海地下鉄新線推進大会ではこのような発言があったそうです。

  • 都議:年内には都から何らかの発表があると聞いている
  • 中央区副区長:近々都や国が発表し、おおよそ新線の位置や駅が決まってくるはず

前者は「築地再開発の事業者応募要項」が年内に発表されその中に地下鉄の駅の位置が書かれていることを指している、後者は東京都の検討会のことを指していると思われるが年明け(2023年)になるのでは、と推測します。

⇒結果は外れ。11月25日に小池都知事がルート・駅の場所を発表しました。

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