2022年夏、HARUMI FLAG完成に先立ちSEA VILLAGEの目の前の晴海緑道公園が整備されました。
そこを歩いていて気が付いたのが、SEA VILLAGEの前にある晴海ふ頭が、今でも結構使われている(大きな船が停泊していること)と、アスファルトで舗装された敷地が結構な面積を占めていること(岸壁から20mくらいがふ頭エリアで立入禁止になっている)でした。
SEA VILLAGEから見ると、せっかく海が目の前なのに、その間に20mの幅のアスファルトで舗装された立入禁止エリアがあり、ちょっともったいない気がしました。
なお、晴海ふ頭に入った客船の乗客を受け入れる「晴海ふ頭客船ターミナル」は2022年から取り壊しをしており、最終的には緑地になると決まっています。
ただ、ターミナルがなくなった後、晴海ふ頭は残るのか、それともターミナル跡地のように緑地になるのか、の情報はかんたんには見つかりませんでした。
もしふ頭も無くなれば、今20m幅で立入禁止になっているエリアが公園になり、だいぶ雰囲気が変わりそうです。
というわけで今回は晴海旅客ターミナルが完全撤去されたあとに、晴海ふ頭がどうなるのか調べてみました。
- 現在の晴海ふ頭は20mの舗装エリアがあり有刺鉄線付きフェンスで囲まれている
- 今後、晴海客船ターミナルは解体されて、より小さなものを新たに建てる
- 青海の東京国際クルーズターミナルの拡張が終わると、小さくなった晴海のターミナルも撤去され、緑地になる
- ターミナルが撤去されたあとも晴海ふ頭は残り続ける
- 岸壁から20mの舗装エリアも残り続ける

現在の晴海緑道公園と晴海ふ頭
2022年夏に、晴海フラッグから豊洲方面に延びる晴海緑道公園が開放されました。
これで豊洲方面から晴海フラッグの最先端にある晴海ふ頭公園まで、一直線につながる気持ちのいい散歩道、そして広大な釣り場ができました。
地図で見るとこんな感じです(Google Mapにはまだ反映されていなかったため、現地にあった案内板と組み合わせてみました)

真ん中の晴海通りあたりから、晴海フラッグ方面を見たところ。ヤシの木も植えられていて少し南国風です。

環状2号線をくぐると見えてくるのが、晴海ふ頭とその奥の晴海フラッグSEA VILLAGE。この日は水産庁の大型取締船が着岸していました。

ふ頭は岸壁から20メートルほどがアスファルト舗装されていて、そのエリアと公園はフェンスで仕切られています。

フェンスは海側に張り出しており、上部には有刺鉄線もあり、かなり厳重に出入りを防いでいる印象です。

クルーズ船など海外から来る船もあるので、この埠頭から簡単に外に出られると不法入国もできてしまうため、厳重にしているものと思われます。
晴海客船ターミナルの今後
さてこの晴海ふ頭の先にあるのは晴海旅客ターミナルですが、こちらは閉鎖が決まっています。
初代の建物は2022年3月に閉館し、22年冬時点では取り壊し中です。

取り壊しの理由は老朽化によるとのこと。1991年に作られまだ30年しか経っていないのにもったいない気がしますね。
なお晴海ふ頭はレインボーブリッジの先にあるため、レインボーブリッジをくぐれない超大型クルーズ船は、晴海を避けて横浜港に入港しています。
東京都はそれを解消するため、2020東京オリンピックに合わせて、レインボーブリッジの外側のお台場に新しい旅客ふ頭「東京国際クルーズターミナル」を作り、超大型船を受け入れる体制を作りました。



出典:東京都港湾局
ただ東京国際クルーズターミナルは現在、大型船が1隻しか停泊できないため、晴海ふ頭もしばらくは2隻目の停泊地として使われます。
そのため晴海では初代の建物を取り壊したあと、小さなターミナルを立て直すそうです。
そしてそれも東京国際クルーズターミナルの拡張が終わったら取り壊して、緑地にするとのこと。
なんともったいない!今のターミナルをもうちょっと使い続ければいいじゃん!!と思いますが、今の建物を維持する費用より、取り壊して小さな建物を立て維持するほうが安く上がる計算になったんでしょうね。
とにかく、晴海客船ターミナルはいずれ緑地になるそうで、すでに隣りにある晴海ふ頭公園と一体化すると思われます。

この写真は晴海ふ頭公園から見た客船ターミナル。いずれはターミナルがなくなりそこまで公園が広がるのでしょう。
ターミナルの撤去後、晴海ふ頭は無くなるのか
となると気になるのは(私だけ?)、晴海ふ頭自体がなくなるのかどうか?
晴海ふ頭全体が無くなれば、SEA VILLAGEの前の幅20mのアスファルト道路もなくせて公園化でき、かなり気持ちのよいスペースが広がることになります。
しかし旅客ターミナルが無くなったあと、晴海ふ頭はどうなるかの情報はなかなか見つかりません。
晴海ふ頭はなくなるのか
色々探して、ついに見つけ出しました。2017年の東京都港湾局「東京港港湾計画書 軽易な変更」です。
タイトルは軽易な変更とありますが、素人にはドラスティックな内容に見えます。次の2点が記されています。
- 東京国際クルーズターミナルの岸壁を拡張し、2船同時入港できるようにする(2バース化)
- 上記に伴い、晴海ふ頭での客船受入れ機能をなくし、物資補給用の岸壁に作り直す
晴海ふ頭については具体的にはこのように変更されるという記載があります。


「既定計画」にはある客船ふ頭が、「今回計画」には無くなり、すべて物資補給岸壁にすることが書かれています。
別の言い方をすると、客船ターミナルが無くなったあとも物資補給用としてふ頭は残り続ける、ということになります。
景観という点ではちょっと残念ですが、災害時に物資を補給するための岸壁なので、ありがたいと思ったほうが良さそう。
ふ頭の前のアスファルト道路は残るのか
次に気になるのは、岸壁から20mも広がるアスファルト舗装のエリアは残るのか。
これは1956年、晴海ふ頭から初めての南極観測に出かける「宗谷」。

見送りの人は1万人にもなったそうで、こんな状況なら幅20mのスペースも必要そうです。
ただ最近の記事(中国駆逐艦の帰国)を見ると、随分スペースに余裕がありそうです。

アスファルトのエリアは半分くらいしか使っていないように見え、これならぐっと狭くしても大丈夫なのでは、と思えます。
これに対する解も同じ「東京港港湾計画書 軽易な変更」に記載がありました。

「埠頭用地は、物資補給岸壁のエプロン幅員として20m確保する」
たしかに、前述の平面図によると岸壁の長さは「240+552=792m」、埠頭用地が1.6haとのことなので、面積1.6ha(16,000平米)÷長さ792m=幅20mとなっています。
残念!!
今より舗装エリアが狭くなることはなさそうです。でもこれもきっと災害のときなどに必要になるのでしょう。
ただ、できれば今のアスファルトむき出し状態から、石畳やレンガ張りのような景観を意識した改装をしてもらえるとうれしいですね。
また、晴海ふ頭は災害時の利用以外に、このように通常時も船の物資補給に使うことが予定されています。
東京港には、独立行政法人海技教育機構(旧航海訓練所)や水産庁、防衛庁をはじめ、観光庁の所有する船舶等が多数寄港・係留しており、燃料や飲料水など物資補給のための係留場所の確保が求められている。こうした要請への対応として、物資補給岸壁を次の通り計画する。
これまで海外の艦船が来ていたことを考えると今後も継続しそうで、ふ頭エリアへの自由な出入りは今の通りできないと想像します。
さすがに有刺鉄線は他の手段に変えてもらいたいですが。
まとめ
今回の調査結果のまとめです!
- 現在の晴海ふ頭は20mの舗装エリアがあり有刺鉄線付きフェンスで囲まれている
- 今後、晴海客船ターミナルは解体されて、より小さなものを新たに建てる
- 青海の東京国際クルーズターミナルの拡張が終わると、小さくなった晴海のターミナルも撤去され、緑地になる
- ターミナルが撤去されたあとも晴海ふ頭は残り続ける
- 岸壁から20mの舗装エリアも残り続ける





